法人投資家サロン

株式・不動産・暗号資産の法人投資家向けブログ

1. 暗号資産・仮想通貨の概要と特徴 ①(ビットコイン)

イントロダクション

ビットコインとは、一体どのような仮想通貨*なのでしょうか?

この記事では、ビットコインの概要や歴史、その将来性をご紹介します。

*2019年5月に成立した改正資金決済法で、通貨とは明確に区分するため、「仮想通貨」から「暗号資産(Crypto Asset・クリプトアセット)」に改称されていますが、引き続き「仮想通貨」という名称を使っていることが多くあります。

 

ビットコインの概要

暗号資産の代表とされるビットコインですが、その仕組みは次のようになっています。

① ビットコインは中本哲史(サトシ・ナカモト (Satoshi Nakamoto))を名乗る人物によって投稿された論文に基づき、2009年に運用が開始された。
② ビットコインシステムはPeer To Peer(P2P)ネットワークにより運営され、トランザクション(ビットコインの所有権移転。取引)は仲介者なしでユーザ間で直接に行われる。このトランザクションはネットワークに参加しているノード(プログラム)によって検証され、ブロックチェーンと呼ばれる公開分散元帳に記録されていく。
③ 中央支配機関(中央管理者)がないビットコインの信用は、ネットワーク参加者全体で相互に形成されている(非中央集権型の電子決済システム)。
④ ビットコインは、採掘、もしくは商品・サービス・他の通貨との交換、また寄付を受けることにより入手できる。
⑤ ビットコインを商品やサービスの対価として受け容れる企業の数は、2015年2月に10万社を超えた。
⑥ クレジットカード会社は通常2-3%の手数料を課すが、ビットコインでは多くの場合、企業は0%以上2%以下の(低めの)トランザクション手数料を支払う。ただ、ビットコインを受け容れる企業の数が2014年に4倍に増加したにもかかわらず、暗号通貨は小売業界ではあまり普及していない。

 

ビットコインの特徴

ビットコインの通貨特性は次のようになっています。

通貨単位

① ビットコインの通貨単位は、ビットコイン(bitcoin、BTC)である。
2014年現在、ビットコインを表わす記号(ティッカーコード)には BTC、XBT、BitcoinSign.svg がある。
② 補助単位(分割可能な単位)としては、ミリビットコイン(mBTC)、マイクロビットコイン(μBTC)、サトシ(satoshi)が存在する。
・ミリビットコインは1000分の1ビットコインにあたる。→1mBTC(ミリビット) = 0.001BTC
・マイクロビットコインは100万分の1ビットコインで、単にビットと呼ばれることもある。→1μBTC(マイクロビット) = 0.000001BTC
・サトシはビットコインの作者であるサトシ・ナカモトを記念してつけられたビットコインの最小単位で、1億分の1ビットコインにあたる。→1satoshi = 0.00000001BTC

発行枚数上限

2,100万枚

特徴

① 個人間のP2P技術で運営される完全分散型のシステムで、管理者の存在しない非中央主権型の電子決済システムである。
② 世界で初めての暗号資産で、もともとは電子決済が目的でつくられ、現在も暗号資産の基軸通貨として存在を維持している。
③ 流通する暗号資産の中でビットコインは最も取引量が多く、暗号資産の代表格とされます。

ホワイトペーパー

・原文リンク

https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

・日本訳リンク

coincheck.blog

 

ビットコインの歴史

誕生してまだ間もないビットコインの歴史(代表的な出来事)をまとめています。

2008年8月:ドメイン名「bitcoin.org」がインターネット上に登録される
2008年10月:ビットコインの概念が論文で紹介される
2009年1月:ブロックチェーン上に「genesis block」と呼ばれる最初のブロックが形成される(運用開始)
2010年5月22日:ビットコインが初めて取引に利用(ピザが買われる)※このことから、5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」と呼ばれる
2011年:1ビットコインの価値が約0.3米ドルから32米ドルまで急騰し、2米ドルに戻った。
2012年11月:最初の半減期
2012年~2013年:2012年後半と2013年のキプロス金融危機の際には、ビットコインの価格は高騰し始め、2013年の4月10日には266米ドルのピークに達し、その後、約50米ドルまで下落した。
2016年7月:2度目の半減期
2017年8月:ビットコインが分岐*しビットコインキャッシュが誕生
2017年10月:ビットコインが分岐*しビットコインゴールドが誕生
2017年11月:ビットコインが分岐*しビットコインダイヤモンドが誕生
2017年12月:1BTCが200万円を超える<第一次バブル*>
2020年5月:3度目の半減期
2
021年4月:1BTCが700万円を超える<第二次バブル**>

*分岐(フォーク)について

ブロックチェーンの分岐にはハードフォークとソフトフォークとがあります。
ハードフォーク(永続的な分岐):新しい暗号資産の誕生、ブロックチェーン自体の仕様変更(分裂)
<例>ビットコインの上記分岐すべて
ソフトフォーク(一時的な分岐で、後に収束):暗号資産のバージョンアップ、仕様変更(どちらかのルールに収束)
<例>Pay to script hash(P2SH)…マルチシグネチャ、Segwit…ブロック格納記録圧縮

(出典:Wikipediaの一部を抜粋・加筆編集)*筆者注記

 

ビットコインの将来性

ビットコインの特徴に、暗号資産の中で基軸通貨としての役割を果たしていることがあります。基軸通貨とは各通貨の基準となる通貨のことで、法定通貨では米ドルに当たります。現在存在している暗号資産は基本的にビットコイン建てで取引することが可能です。また、アルトコインの価格は、ビットコイン価格の変動による影響を受けていることがほとんどです。

ビットコインは他の暗号資産と比べて、「金」(デジタル・ゴールド)にたとえられるほど信頼性があるといわれています。発行上限が2,100万枚と決められているため、需要が増えれば価格も上昇しやすいといえます。

このような理由から、ビットコインのブランド力は絶大であり、数ある暗号資産の中で最も中心的で有望な存在といえるのではないでしょうか。

 

ビットコインなどの暗号資産を支える技術

暗号資産の運用を支える主な技術には、暗号化技術、P2P、ブロックチェーン技術などがあります。

暗号化技術

暗号資産で使われている暗号化技術は公開鍵暗号方式*といって、インターネット通信や電子署名などで幅広く使われている技術です。
*公開鍵暗号方式では公開鍵と秘密鍵の2つの鍵がペアで1セットの鍵とされるため、情報が安全に守られる。

P2P(peer-to-peer / ピア・トゥー・ピア)

従来のネットワークシステムはクライアントサーバー型といわれ、1つの巨大なサーバーに無数のパソコン(クライアント)がアクセスするネットワークになっていました。一方、暗号化技術で使われるP2Pは、中央にあるサーバーをなくし、クライアント同士で直接ネットワークを構築しています。これにより、非中央集権的なネットワークシステムの構築が可能になりました。

ブロックチェーン技術

ブロックチェーン技術は、記録を残すことに特化した技術です。ブロックチェーン(分散型取引台帳)*上に記録することにより、第三者の証明なしに、その存在を証明することができます。これは、第三者に支払うコスト削減を可能にします。

*ブロックチェーン…暗号資産の複数の取引履歴(トランザクション)をまとめたブロック(取引記録データ)鎖(チェーン)状になって保存された状態のこと

また、ブロックチェーンのプログラムによって契約を自動執行するスマートコントラクトという機能があります。自動化することでプロセスごとの仲介者が不要になり、中間手数料の削減や履行の時間短縮などの可能性を秘めています。

分散台帳技術

分散台帳技術は、DLT(Distributed Ledger Technology)ともいわれ、台帳を1つにまとめるのではなく、複数のユーザー全体で台帳を管理・監視していく技術です。複数のサーバーが同じデータを共有することで、データの不正な改ざんを防ぎ、ハッキングなどの攻撃に対しても防戦できます。

参考)ビットコインなどの暗号資産の用途

・投機や投資の対象
・決済手段
・送金手段
・プラットフォームとして活用

 

ビットコインへの投資

本記事執筆時の価値は、 1ビットコイン740USドル程度(日本円で84,000円)です。本年末に向けて、1BTCが日本円で10万円になるとも囁かれています。

執筆者の関連会社であるアセットミックスは投資会社として、主に株式投資を行っていますが、貴金属や穀物などのコモディティ(商品)クラスの資産として、ビットコインにも投資しています。あくまで分散投資と情報収集目的のためなので、少額の投資です。

取引の注文は、最大手取引所のbitFlyerの「ビットコイン取引所(簡易取引所)」で、1BTC;指値62,370円の買注文を出しました。
※当時はキャンペーン中につき、取引手数料は無料でした。

ビットコイン取引所と販売所(+暗号資産FX)

ちなみに、取引は、今回オーダーした「ビットコイン取引所*」(bitFlyerが売手と買手を仲介するマッチング取引)の他に、「ビットコイン販売所」(bitFlyer自体がBTCを販売・買取する相対取引)や「bitFlyer Lightning」(5倍のレバレッジをかけて取引もできるプロ向け取引所:レバレッジ取引***)で行うことができます。
販売所と取引所では、それぞれ買値と売値が多少異なっています。

*株式取引のように売買の注文状況を見られる「板」があるのが特徴。
**販売所の取引値は取引相手となるbitFlyerの提示価格であり、FXのようにスプレッド(手数料的な価格差)が織り込まれています。
***取引所に証拠金を預け、差金決済による暗号資産の売買を行うレバレッジ取引は暗号資産FXといわれます。現在、レバレッジ(てこ)の上限倍率は2倍とされています。

現時点では投機的なものと言われていますが、これからどのような変遷を辿るのでしょうか?
個人的には、グローバルな国際社会において法定通貨を超える安全便利で低コストな決済手段になって欲しいと思います。

参考)主要な暗号資産交換業者(国内全27社)

bitFlyer(国内1位)
Coincheck(2位)
bitbank(3位)
GMOコイン
Zaif(ザイフ)

注)取り扱っている暗号資産の種類や最低取引通貨単位などは取引所により異なります。

 

参考:BTCチャート

2年半前のビットコイン取引所・マウントゴックスの経営破綻で、日本ではリスキーなイメージがあるビットコインですが、世界的に見ると需要は増えているようです。アメリカを中心に、アジア地域(特に中国)でかなり普及が進んでいるようです。

ここ最近の値動きは次のチャートのようになっています。

f:id:TaxLab:20161125132402p:plain

※口座開設は、国内最大級の仮想通貨取引所の「bitFlyer(ビットフライヤー)」で行っています。こちらの取引所は大手グループ企業・複数社の出資で運営されているので、取引所の中では安心できそうです。ちなみに、口座開設はとても簡単で、申込み翌日には開設されていました。

時価総額ランキング

コインマーケットキャップ

仮想通貨価格、チャート、時価総額 | CoinMarketCap

 

記事履歴

2016年11月25日:初稿
2021年5月23日:更新

 

■参考

パーソナル・ニュービジネスの運営と税務: ネット&ファンドビジネス編

パーソナル・ニュービジネスの運営と税務: ネット&ファンドビジネス編

 

 

■YouTube


www.youtube.com

 

■初心者向け

ひとり投資会社のつくり方

ひとり投資会社のつくり方

 

 

■実践者向け