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1-9 所得税の税額控除について

所得税の税額控除は納税額からストレートに控除できるため、所得控除より節税インパクトが大きなものになっています。

所得税額からストレートに控除できる主な税額控除には次のものがあります。

主なもの
(1)配当控除
(2)住宅借入金等特別控除
(3)公益社団法人等に対する寄付金控除
(4)外国税額控除

それでは順に概要をみてみましょう。

(1) 配当控除
総合課税の対象とした配当所得のうち、一定のものがある場合に適用されます。
(ただし、外国株式の配当金やJリート分配金などは対象外となります。)

<控除額> 
①剰余金の配当等に係る配当所得
税額控除額=その配当所得×10%※
※5%になるケース(高額所得者の場合で以下同じ)あり
②証券投資信託に係る配当所得
税額控除額=その配当所得×5%※
※2.5%になるケースあり 
③一般外貨建等証券投資信託に係る配当所得
税額控除額=その配当所得×2.5%※
※1.25%になるケースあり

㊟平成26年から源泉徴収税率が引き上げとなったため、一般の場合、確定申告した方が税金上有利となります。ただし、国民健康保険料などの負担が増える場合があるので注意が必要です。

(2) 住宅借入金等特別控除
住宅借入金等をもって一定の住宅用の家屋敷を取得し、6か月以内に居住用とした場合に、最長10年間適用されます。

<特定取得以外の控除額> 
①一般住宅
税額控除額=住宅借入金等の年末残高※(2,000万円限度)×1%
②認定住宅
税額控除額=住宅借入金等の年末残高※(3,000万円限度)×1%

<特定取得(消費税8%税率適用のもの)の控除額>
①一般住宅
税額控除額=住宅借入金等の年末残高※(4,000万円限度)×1%
②認定住宅
税額控除額=住宅借入金等の年末残高※(5,000万円限度)×1%

※実際は、家屋敷の取得対価との比較をして、少ない金額とします。なお、家屋の取得対価は消費税込みの金額です。

(3) 公益社団法人等に対する寄付金控除
寄付金所得控除の対象となる特定寄付金のうち、特定の要件を満たす公益社団法人等に対するものを支出した場合に適用があります。(例:ユニセフや私立学校)

<控除額>  
税額控除額=次の①と②のうち少ない方
①{税額控除対象寄付金(所得の40%限度)-2,000円}×40%
②所得税額×25%
※寄付金(所得)控除の対象となる寄付金がある場合には①の額について特例があります。

(4) 外国税額控除
国外所得について外国所得税を納付する場合に適用があります。

<控除額> 
税額控除額=次の①と②のうち少ない方
①その外国所得税額
②配当控除及び特別税額控除後の算出税額×国外所得総額/合計所得金額(1を限度)

この他にも種々ありますので、活用できるものはもれなく適用して節税するとよいでしょう。

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